ベネーノデ・アラニャとの開発競争に敗れ、
数奇な運命の末に地球府所有となったTU。
レンガデラ・アラニャ後継機の地位を巡って
真静の二つの開発局が骨肉の争いを演じた。
ベネーノデ・アラニャ側は謀略を巡らし、
ヅィヅュドゥ開発責任者の名誉を傷つけることに成功した。
その結果ベネーノデ・アラニャが採用されたばかりでなく、
ヅィヅュドゥ開発責任者が咎人にまで貶められる事態にまで至った。
終にヅィヅュドゥ開発責任者は真静を見限り、
ヅィヅュドゥを持参して議会軍に亡命する。
もともと開発責任者は地球文化に
ある種の憧憬を持っていたため、
亡命への躊躇はなかったという。
しかし当時真静と事を荒立てたくなかった議会軍は
思わぬ珍客に戸惑い、亡命者の処遇を巡って混乱する。
亡命を受け入れて真静と険悪になるわけにもいかず、
かといって亡命者を引き渡せば連合議会の面目が潰れる。
そこで真静と水面下で厳しい交渉を行い、
身柄を地球府に預けるというアクロバティックな
解決策をもって一応の合意を得ることができた。
最終的にはヅィヅュドゥを真静からの友好の印として地球府に贈呈、
開発責任者を整備員として無期限貸与とすることに落ち着いたのだった。