プレオス戦記(仮)』 プロット

複数の月面ワールドハウスや実験施設群から成る
広域研究学園国家プレオスは、かつてない危機的状況に置かれていた。
長期にわたり火種としてくすぶっていた統一国家連合議会との不和が、
いままさに戦争という名の炎を燃え上がらせようとしていたのである。

先駆的研究者の多いプレオス
「我々の研究成果は万民の為のものであり、
 単一の文化圏で独占されるべきでない」と意思表明し、
連合議会がそれを「自陣営の権益を侵害するケダブール条約機構への利敵行為」
と判断したことがそもそもの発端だった。

緊張緩和のために数度の会談が催されたが、
プレオスが自らの発言を撤回することはなかった。
研究者たる彼らは良くも悪くも純粋であり、
優れた技術はいかな物量差も覆しうると信じたのだろう
(先述の意思表明も、彼らの純朴さに目をつけた<真静>に
 背中を押された結果であると後世の歴史家は見ている)。

数年の冷戦期間にプレオス擁するMEK社は、
試作機オータム・ジャクシーを経て
量産機オータムを完成させていた。
大量破壊兵器をも作りうる技術力を持つ彼らが
TU開発に拘泥した理由はつまびらかでないが、
おそらく、地球府の認める勝利でなくては
戦争勝利後の政治的自由度が制限されると考えたものと思われる。

プレオスは十代の少年少女らまでを軍に徴用することで、
人的資源の少なさを補填しようとしていた。
これはそんな少年少女たちの目から見た戦争、
後に言う「月面戦争」の顛末を描く物語である。

本プロットは、全6話構成のOVAを意識している。

第一話

舞台は月面、ファーレーン基地
基地内で道に迷っていたクレス・ベラードは、
格納庫を一望できるキャットウォークに出る。
並び立つ人型兵器・TUの初登場、
心を打つその光景にクレスはしばし呆然とするのだった。
その後、偶然出会ったエリー・ベリルに助けられ、
クレスは無事集合場所に辿り着く
(素早い端末の操作、的確な言葉選びなどで
 エリーのオペレータとしての能力の片鱗を見せる)。

Bパートでは学園美少女アニメの軽いノリで、
プレオスの置かれた状況やメンバーの紹介が行われる。
クレス、エリー、そしてナルツラハアルサルラキアユリコゴサクのトキタ姉弟。
教官であるロール・リコーン先任の指揮下、
彼らはオータムの操縦訓練を開始する。
担当機の割り当てが行われ、教官に反抗的だったナルツは、
試作機であるオータム・ジャクシーをあてがわれる。

第二話

Aパートでは前話から引き続き、
軽いノリでたわいないエピソードが描かれる。
またも基地で迷っていたクレスは、
不思議な雰囲気の少女、リーネ・クラシキと出会う。
また、気のいい先輩であるロールとの交流が描かれ、
前話でのナルツへのジャクシー搭乗命令も深慮の結果であったとわかる。

Bパートでは雰囲気が一変、謎のTUエルプト・スタルクトオータムの格納庫を襲撃。
偶然その場に居合わせたエリーとクレスは
バランセッドカタールのみを装備したオータムに搭乗、辛くも防衛に成功する。
そして逃亡するエルプト・スタルクトを追撃すべく、
リーネの操艦するシークエイトがその威容を現すのだった。

第三話

時間は前話の直後。
エルプト・スタルクトを追い詰めた一同は交戦を開始するが、
そこへ敵の増援が現れ、危機に陥る。
敗色を悟ったロールは自機のハイトニックフラクタルを強制反応させ自爆、
敵もろともに爆炎の中に消えるのだった。

直後、議会軍から宣戦布告が行われる。
和平会談に訪れていた連合議会の某重鎮が、
先の爆発に巻き込まれて命を落としたためであった。
間髪を置かず開始される第一次攻撃。
訓練の成果か、ジャクシーで敵TUを撃墜したナルツをはじめ、
次々と戦果をあげる少年少女たち。
だが、クレスはロールの戦死を目にしたショックから、
出撃したものの何もできずにいた。

第四話

プレオスは緒戦に勝利した。
初の実戦を乗り越えて異様な興奮に包まれる少年少女たち。
死の淵を経験することで子孫継承の本能が目覚めたか、大告白大会となる。
そんな中、ゴサク・トキタは偶然出会ったフォロス・ツーに恋心を抱く。

シークエイトの艤装の一部だったキャットウォークで、
傷心のクレスを思いやるエリー。
エリーとリーネの恋の鞘当て。
艦内に流れるほんの少しの穏やかな時間、
そして各人に立ってゆく死亡フラグ。

第五話

連合議会軍の第二次攻撃が始まった。
ユリコをはじめ、優秀なパイロット数名には特別にカスタム機が与えられる。
ナルツもその打診を受けるが、彼はジャクシーへの搭乗を選択する。
しかし出撃直前になって、ジャクシーに機体トラブルが発生してしまう。

一方、カスタマイズド・オータムクレセント」で出撃したクレスの前には、
なんと死んだはずのロールがツィルを駆り立ちはだかるのだった。

第六話

ロールは、開戦のはるか以前から
議会軍や「議会軍でも条約軍でもない連中」と結託していたと明かす。
ロールの言葉とTU戦技に、ただただ翻弄されるクレス。
その合間にも、議会軍の圧倒的物量の前に、
ユリコが、アルサルが、ラキアが散っていく。
最後の希望、大型機動兵器モストロイもあっさり沈む(ナルツ搭乗?)。

しかしプレオス上層部はあくまで徹底抗戦の道を選択し、
旗艦シークエイト以下の残存艦隊に敵主力部隊への突撃を命じた。
苦悩するリーネたち。
敗色濃厚な状況で、エリーとクレスが選んだ行動とは。

エピローグ

ついに降伏したプレオス
ヴァル・ヴァサーゴが秘書を伴って戦後処理に訪れ、フォロス・ツーと出会う。

他方、生還したロールを労うクワイエット・ライアンの姿があった。
事前の契約通り、ロールをクインティリオン・クオリティーズへ迎え入れる彼。
宣戦布告の直接のきっかけとなった某重鎮は、
ライアン財団と反目していたがゆえに謀殺されたのだと明かされる。

その頃、オータム・ジャクシープレオスを脱出する何者かの姿があった。
果たしてそれは希望なのか、それとも新たな戦いの前触れに過ぎないのか……?


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Last-modified: 2010-02-22 (月) 13:34:09 (5407d)