しけい。
視覚至上主義社会に生きる<真静>の人々にとって、
視覚を失うこと――失明は、死にも等しい恐怖の対象となる。
発達したバイオテクノロジーをもつ彼らは
先天的・後天的問わず盲目をいとも簡単に治療できるが、
唯一、その恩恵を被ることを許されない者たちがいる。
罪人である。
殺人などの重罪を犯した者には、刑罰として視覚の剥奪が行われるのだ。
この制度を便宜名<視刑>という。
ブルブヴァ・ダレスやマノ・リレッケムなど、
<視刑>に処された者たちはその後、
懲役として咎人部隊への参加を強制される。