大手兵器開発メーカー「ヴィンデ」が手がけたTU
グリークシリーズのひとつ。

「戦局に応じ多段変形するTU」――X
従来全く別系統の兵器であったTUと恐竜型機動兵器
あまつさえ飛行機までを結びつけるその奇想は、
開発部から提案された当初、保守的な経営陣の少なからぬ反発を招いた。
実際問題、当時の設計には剛性が不足しており、
物理的に実現困難であったことが知られている。

しかし、経営陣とてその斬新な着想に全く意義を見出さなかったわけではない。
例えば機体各部に固定近接兵装を取り付けるというアイデアは
それまでの議会軍TUには見られなかったものであり、
クロスレンジにおける対TU戦術の幅を大きく広げることが期待された。
本機は、かの設計案からそうした「実現可能」な箇所のみを抽出することで
開発のゴーサインを得た試作機である。

肩部には既存兵装「ソー・ナッター?」の設計を転用した「牙」が、
膝部には同じく「ホーテンガゲキ」の設計を転用した「爪」がそれぞれ装備されており、
これらと手持ち兵装を併用した戦法は繰り返される模擬戦においてその有効性を認められた。
背部にはプロト・ベーチュオンで実現したフレキシブル・スラスタを三基装備、
必要十分な機動性の確保に成功している。

なお、このデルチュオンで得られた技術的蓄積は、
やがて開発部の悲願であった変形型TUX3」として結実、
それを駆る「シューカー」の勇名と共に、歴史を刻む刃と化してゆくのであった。


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