ツィーダ歩行試験型の二足運動性能は
目覚ましいものがあったが、
従来よりも格段に操作性の高い
マニピュレータ部分も備えているという特徴もあった。
これに着目したA.G.インダストリーの宇宙開発部が、
ツィーダ歩行試験型をベースに開発したのが
このツィーダ宇宙作業試験型である。
もともと脚部のあった箇所にはマニピュレータが増設され、
胸部はパイロットの生命維持システムを格納するため
前方に突き出す形状となった。
期待通りの作業性を発揮したこの機体だが、
副産物として宇宙空間での高い運動性能も
備えていることが確認され、
それは従来の宇宙用戦闘機をもしのぐほどであった。
この情報を得た軍部は、A.G.インダストリーに
宇宙用TUの開発を命じた。
そうして作られたのがツィーダ宇宙用試験型だが、
当時の主戦場は地上であったため、
本格的に宇宙用TUの開発に力が入れられるのは、
もう少し先にこととなるのであった。
試験運用後、しばらく倉庫で眠っていた
このツィーダ宇宙作業試験型だが、
のちに、総力戦となった要塞衛星ステガギガスの
防衛戦で実戦に投入されることとなる。
トーマス・クリステンセン伍長の操縦で出撃したこの機体、
敵1機に損傷を与えるが、乱戦の中、撃墜されている。