ケダブール条約機構軍の地上用TU。
湿地帯用TUバヨの拡張版として開発された。
帰還暦524年から実戦配備。
バヨは湿地帯での作戦能力が高く、
同時期に開発されたTUよりも長く運用されていたものの、
新型機の登場により相対的に戦闘能力は低下する一方。
これにより、湿地帯から隣接拠点への攻撃など、
かつてバヨが可能であった任務は遂行が困難になっていた。
そこでバヨネットには、任務内容に応じた装備の着脱により
かつてのバヨを上回る適応能力が付与されている。
単機での作戦行動能力はバヨを大きく上回るバヨネットだが、
着脱機構に伴う部品点数の増加は
故障率と製造コストの増大を招いた。
このため生産数はおのずと制限され、
従来のバヨを全置換するには至らなかった。
運用開始当初の標準的な構成。
推力強化のために蓑状のスラスターモジュールを追加装備した姿。
バヨの全面改良型としての特性をもつ。
なお、ミハマ・ハルマは
フェニキア大戦役中にバヨネットを使用したが、
あらゆる戦術パターンを
選択肢に入れておきたい彼は、
重装型をベースとしつつも、
火砲携行のため右腕の外装は装備しなかった。
また、火砲には他機種用の
ダンビラ・ブレードを改造し装着してある。
重い湿地帯用の装備を排除し、軽快な運動性を発揮できる形態。
脚部はもちろん、小型マニピュレータもバヨ型の腕部の中に収まっており、
外装パージにより戦闘中でも容易に標準型から軽装型への移行が可能。
防御力の低さが弱点で、外装の再装着も自力では不可能であるため、
この形態が使用されるのは主に奇襲や緊急離脱時である。
湿地帯用装備を外しているため渡河中の運動性はむしろ低下している。
帰還暦526年以降、火砲使用の一般化によって
バヨネットの多くがこの状態で運用された。
クリフ・キリフは、愛機としていたキャスケットが
部品不足で運用不能になったのち、
代替機としてバヨネットを選択。
軽装型にスラスターモジュールとホムラ・ブレードを装備させ、
伝統となっていたチューブアイカバーの一部取り外しと
塗装の変更を行っている。
軽量の機体に大推力を付与しているため抜群の運動性を誇るが、
その加速性能は強度計算において想定外であり、
被弾よりもむしろ不用意な加減速による破壊が危惧される。
クリフ・キリフがこの機体を一度も戦場で擱座させなかったのは、
彼の卓抜した操縦センスと、引き際の良さがなせる業と言える。