フラグメンツ:断片集、あるいは短編集。
歴史の狭間の出来事を描く短編小説に、通し番号を付けたシリーズ。
帰還暦525年。
地球府の都市ニューベルを訪れた、ジャーナリストのラブ・オガスリブ。
果たして彼の真意とは、またハンドモジュールに隠された秘密とは。
帰還暦521年。
月面戦争の開戦を回避すべく、月面都市トランキリティで密談が行われる。
ライアン財団御曹司、クワイエット・ライアンがそこで知ることになる真実とは。
帰還暦520年。
ニヒルバウンにおける戦いは、激化の一途を辿っていた。
議会軍若手将校ダガード・ベインズマンが、その混沌の戦火の果てに見たものとは。
帰還暦522年。
メズカラキムの大水門をめぐる戦いに動員された、ギルベルト・シュミッセン。
バリクンビラ部隊を任せられた彼は、月光に照らされた水底で何を思うのか。
帰還暦520年。
二人の若き女性パイロット――シェリア・アークヴェルト?とトリーチェ・フェアデルベア。
敵対する両者の運命の糸が、ニヒルバウンの森でいま絡みはじめる。