次世代突撃機計画に基づき開発された、
ツィパシルの改造機。
ツィパシル・ブルーフレイムの兄弟機であるが、
ブルーフレイムの四肢がTUとしての汎用性を保った設計であるのに対し、
本機はただひたすら速度のみを重視した結果か、
各関節の可動範囲が大幅に制限されている。
四基のロケットの燃料は少量で大量のエネルギーを出す
特殊精製した化学薬品を使用しており、
機体各所に設けられたタンクに貯蔵し長時間の稼動を可能としている。
足にある車輪は鋼鉄製で、通常の路面ではなく
平坦な砂漠のみ走行ということで装備され、
機体装甲は丈夫で軽い二種類の素材を層状にして覆ってある。
ブルーフレイムと並行して開発が進んでいたが、
走行実験中、四基のロケットうち一基に劣化によるひび割れが生じ、
非常に燃えやすい使用燃料の特性が仇となって爆発に至った。
他のロケットと燃料は爆発直前に危険を感じたパイロットがパージし、
またコクピットは分厚い装甲板で保護されていたため、
最悪の事態だけは避けられた。
この爆発事故で機体は中破し、機体修理に大幅な時間が必要となった。
その事故の修理が進む中ブルーフレイムが
最大速度時速900キロを越すという快挙を成し遂げ、
レコードブレイカーの名誉を譲っている。
これを受けた開発チームはむしろ活気付き、
音速を超えるという目標で修理を急ピッチで行ったが、
その後の記録は残されておらず、チームは解散になったと思われる。