アイゼンミューオンとバタウカノーネの合体形態。
バタウカノーネ用に開発されたブースターバスターは、
アイゼンミューオンを援護するに十分な広域制圧能力をもって完成した。
しかしドライブに要するエネルギーが想定より高くなり、
完成後のバタウカノーネがこれを使うと、
前後数分間、ほとんど動けなくなるという致命的欠陥が露見する。
これを補うべく考案されたのが、
二機をドッキングさせるという新奇なアイデアであった。
バタウカノーネがアイゼンミューオンの後部に
ドッキングして、四脚の人馬型TUとなるのである。
この形態をとることで、バタウカノーネ側の全出力を
ブースターバスターのドライブに割いても、
アイゼンミューオンの大規模エジンエンジンにより
TUとしての標準的な運動性が確保されるため、
ブースターバスター使用に伴う危険は
かなり低減されると見込まれた。
トパス製作所は柔軟な設計変更によってこの案を実現し、
アイゼンタウルが誕生することになる。
なお、合体時ブースターバスターはバタウカノーネから分離され、
合体後はアイゼンミューオン側の手持ち武器として使用される。
バタウカノーネを実戦で使ったギルベルト・シュミッセンと
アイゼンミューオンのパイロットであった真のヴァル・ヴァサーゴは、
この合体形態を用いてクインティリオン・クオリティーズの大部隊を抑え、
宇宙へ向かうクロスハートのための血路を拓く活躍を見せた。
このアイゼンタウルの合体というアイデアは
当時の統一国家連合内では類を見ず、
むしろ<真静>のルフト・ビアッシェや
トラッゾ・テオールの構造に通じるものがある。
そのため発案者が誰であったかという謎が人々の興味の対象となったが、
そのなかの一説では、アイゼンミューオンを駆る
ヴァル・ヴァサーゴ自身が提案したものとも言われる。
ちなみに後年においては、より洗練された形態として
ツィンペリアルとツィラノ・ナギトの単純なドッキング機構が採用されている。
分離状態のブースターバスター。
エンドエフェクタからエネルギー供給を受ける。